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Jablogy

Sound, Language, and Human

Voca brasileira 『Re-fuga』 ライナーノーツ公開

同人音楽即売会M3-2012秋にて頒布された、サークルVoca brasileiraのアルバム『Re-fuga』に私 ja_bra_af_cu がライナーノーツを寄せていました。近く、2013年4月29日(月・祝)に行われるM3でもこの『Re-fuga』の再頒布と小品の新作が発表になるということで…

『Vocalo Critique』 vol. 05感想

最終刊がすでに発表されているVocalo Critique。vol.05の感想を下書きまでしていたのですが、気になるところをメモしまくっていたらずいぶん長くなってしまい、結果、完成させるのがすっかり遅くなってしまいました。若干今更な感じもありますが、ちょっとで…

Alexader Stewart “‘Funky Drummer’”

【書誌情報】 Stewart, Alexader. (2000). “‘Funky Drummer’: New Orleans, James Brown, and the Rhythmic Transformation of American Popular Music.” Popular Music vol.19, No.3, pp. 293-318.大和田俊之『アメリカ音楽史』で言及されていたのをきっか…

井手口彰典『同人音楽とその周辺』

同人音楽に関するほぼはじめての学術書であり、ボカロも扱われているということで注目していた本書をようやく一通り読み終えました。同人音楽とその周辺: 新世紀の振源をめぐる技術・制度・概念作者: 井手口彰典出版社/メーカー: 青弓社発売日: 2012/02/22メ…

英語史入門の本を読んでみた

英語圏の音楽言説をもっと知りたいので、最近英語の学習に力を入れています。英語学習、とくに語彙を増やす上で、語源を調べ、その語の歴史的な変遷を知ると記憶の助けになることが私の体験上わかっているのですが、そうした学習をしようと語源辞典などを調…

2012年ボカロ曲10選を視聴したまとめ

もう1月も半ばを過ぎてしまいましたが、やっと聴こうと決めた分のリストに耳を通し終わったので、ここにまとめておこうと思います。9リスト、ということは(全曲頭から終わりまで聴いたわけではありませんが)、まがりなりにも90曲聴いたわけですねー。なか…

シノハラユウキ「轟音が誘う異世界への扉――Go-qualia試論」へのコメント

やおきさんのエントリ、【シノハラ初め】「音色の話」(Togetter)からピックアップ(」・ω・)」うー!(/・ω・)/にゃー!に釣られて、目は通したけどちゃんと読んでなかったシノハラユウキ氏のねとかるへの寄稿、轟音が誘う異世界への扉――Go-qualia試論を読…

2012年の活動を省みる

一年の計は元旦にありといいますが、計画だけでなく反省も大事 というわけで簡単に去年立てた目標の反省+今年を振り返ってみたいと思います。はっきりいって立てた目標はかなり計画倒れになってしまったものが多いです。 原因はあきらかに去年の暮に始めた…

2012年のボカロ再生数上位曲について

シュールレアリスムを正しく理解するPが再生数上位曲の伸び傾向などを研究するために作られたリストを私も聞いてみましたので感想を記しておこうと思います。そのリストはこちら 2012年ボカロ曲再生数上位リスト(研究用) 特に面白いと思った曲はTwitterの…

JASPMワークショップ「ポピュラー音楽の美学と存在論 : 今井論文をめぐるオープン・ディスカッション」UST中継の感想

日本ポピュラー音楽学会のワークショップがUSTで中継されていたので視聴させていただきました。中継してくださった八田真行さん(@mhatta)*1ありがとうございました。自分用の記録も兼ねて公開されている関係資料をまとめておきます。 議論の元になった今井…

『フミカ』@文学フリマの編集後記的な告知

すでにtwitterやサークルメンバーのブログからもたくさんの告知が出ていますが、来る18日の日曜日に行われる「文学フリマ」にて音楽批評系同人誌『フミカ』を出します。 目次 VOCALOID UTAU曲クロスレビュー(やおき、ja_bra_af_cu、かじもとさん、まげ=え…

マックス・ヴェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』

書誌情報: Weber, Max. 1920 “Die protestantische Ethik und der 》Geist《 des Kapitalismus,” Gesammelte Aufsätze zur Religionssoziologie, Bd. 1, SS. 17-206. (ウェーバー、マックス 1989 『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』 大塚久雄…

『同性愛と異性愛』、『哭きうたの民族誌』、『メイキング人類学』

長年の積ん読を少し崩したので簡単なメモを。 風間孝・河口和也 2010 『同性愛と異性愛』 岩波新書 同性愛と異性愛 (岩波新書)作者: 風間孝,河口和也出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2010/03/20メディア: 新書購入: 5人 クリック: 88回この商品を含むブロ…

小田部胤久『西洋美学史』読書会の補足と余談

@sakstyle氏、@nix_in_desertis氏 、@tieckP、他twitter上で関心を持って下さった皆さんと読書会をしました。西洋美学史作者: 小田部胤久出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2009/05/27メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 76回この商品を含むブログ (…

『Vocalo Critique』vol. 04感想

中村屋与太郎編 2012 『Vocalo Critique』vol. 04, Jul. 2012、白色手帖かなりのハイペースで刊行されもう第4巻まで来ているVocalo Critique。 ひさびさに感想を書いてみようと思います。もう4巻、パイロットを入れたら5冊目ということもあり、紙面の体裁は…

ボカロ曲紹介の方法

「#皆さんの好きなボカロ曲3曲を晒して」というハッシュタグが流れてきたのをきっかけにジババさん(@JP_Jibaba)と曲紹介についての考え方を意見交換したので、メモがわりにまとめておきます。 別に好きな曲がどんなに有名だってかまわないんだよ。好きな曲…

ブログ外観リニューアル

@magelixirさんのご協力をいただきながらブログのスキンを変更し、CSSをいじってみました。WEB技術には全く素人なのですごくストレスフルな作業でしたが、とりあえず満足できる結果が得られました。まだ細かいところに詰める余地は十分ありますけれど…

2011年の当ブログを振り返る

やおきさんにつられて音楽を語るための場を確保しようと始めたこのブログですが、完全放置になることなく、それなりに記事を書いてくることが出来ました。今年は書評が中心になりましたね。基本的にVocaloid Critiqueに応用することを念頭に、「声」の問題・…

村井康司 『ジャズの明日へ ―― コンテンポラリー・ジャズの歴史』

『スイングジャーナル』や『ジャズ批評』で活躍されている(た)ジャズ批評家村井康司による60年代〜現代までのフュージョンやコンテンポラリー・ジャズをジャズ史として位置づけようという挑戦的な一冊。ジャズの明日へ―コンテンポラリー・ジャズの歴史作者…

佐々木俊尚『キュレーションの時代 ―― 「つながり」の情報革命が始まる』

twitter上などでご活躍のメディア・ジャーナリスト佐々木俊尚氏が「キュレーション」という概念を紹介している本。ボカロや音楽を論じる言葉を考えていく上で有用と思いますので取り上げてみます。キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ち…

高橋健太郎 『ポップミュージックのゆくえ ―― 音楽の未来に蘇るもの』

本書は、twitterやtogetterでもおなじみの音楽評論家、高橋健太郎が1991年時点での「これからのポップミュージックに対して持っているビジョンを表現することに重きを置いて」(あとがき、p. 216)書き下ろしたした評論集を2010年にアルテスパブリッシングが…

てらまっと「ツインテールの天使 ―― キャラクター・救済・アレゴリー」

最近、友人たちの間で話題のてらまっと氏によるけいおん!論読みました。『セカンドアフター』という震災をうけて如何に喪失を引き受け喪の仕事をおこなうかといったテーマを扱った同人誌における、キャラクターによる救済を論じた(英語の意味での)エッセ…

マルコ・イアコボーニ 『ミラーニューロンの発見』

他者の行為をみているとき、その行為をトレースし鏡写にするかのように発火する脳内の神経部位:ミラーニューロン。その発見は生命科学におけるDNAの発見にも比肩するといいます。ミラーニューロンの発見―「物まね細胞」が明かす驚きの脳科学 (ハヤカワ新…

2011年 ボカロ曲10選 レヴュー

今年一年で出会ったボカロ曲から10曲おすすめを選んで見る企画ということで、これはすごいと思った曲を素直に集めてみました。マイリストはこちらです。本エントリには、マイリスの10曲には入りきらなかったけどどうしても入れたい人も追加してます。曲的に…

細川周平 1990 『レコードの美学』 勁草書房

はじめに 日本におけるポピュラー音楽研究の先駆者の一人、細川周平の大著。博士論文を改稿したものとあって、大きなボリュームにもかかわらずロジカルな構成になっていて読みやすいです。レコードの美学作者: 細川周平出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 199…

『筑波批評』2011年秋号

今号も寄稿者のやおきさんにご恵投いただきました。ありがとうございます。今回は「街」がテーマということで、表紙もシムシティみたいな感じで、論考は前半3つが「街」に関係したものになっています。あとは後半で村上裕一の『ゴーストの条件』への言及が…

スタジオ・ハードデラックス編 2011 『ボーカロイド現象 ―― 新世紀コンテンツ産業の未来モデル』 PHP研究所

SFマガジン・ミク特集に続いて、『Vocalo Critique Pilot』における文献ガイドの補足・その二、を試みたいと思います。ボーカロイド現象作者: スタジオ・ハードデラックス出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2011/03/17メディア: 単行本(ソフトカバー)購入…

島袋八起編 2011 『Vocalo Critique』 Pilot, Nov. 2011、白色手帖

本誌は、2011年6月の文学フリマで頒布された『Vocaloid Critique』*1 の再版ver. です。 文学フリマにくる、あまりネット文化・ボカロ文化に馴染みのない人を読者に想定して書かれているため、vol. 01 とはだいぶ毛色の違うものになっていますが、議論の濃さ…

佐々木敦 2008 『「批評」とは何か? ―― 批評家養成ギブス』 メディア総合研究所

はじめに 音楽を中心に多ジャンルで活躍する批評家、佐々木敦が自身で主催するカルチャースクール〈BRAINZ〉において開講した「批評家養成ギブス」という連続講座をまとめたもの。(ブレインズ叢書1) 「批評」とは何か? 批評家養成ギブス作者: 佐々木敦出版社…

チーム☆独身者編 『らすてぃら』

Vocalo Critique Pilot 寄稿者のまつともさん(@matchamttm)が参加しているサークルが2011年6月の文学フリマで頒布した同人誌。サークル名の「独身者」とはミシェル・カルージュが『独身者の機械』*1において提唱した概念によるようです。近代社会における…

S-Fマガジン [2011年8月号 特集・初音ミク]

先日文学フリマにて頒布されましたVocalo Critique Pilotの文献ガイドでも紹介した雑誌です。Pilotでは手短な紹介しかできなかったので補足を試みたいと思います。S-Fマガジン 2011年 08月号 [雑誌]出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2011/06/25メディア: 雑…

菊地成孔・大谷能生 2008 『M/D ―― マイルス・デューイ・デイヴィスⅢ世研究』 エスクァイア マガジン ジャパン

ジャズミュージシャン・評論家の菊地成孔・大谷能生のコンビによる「ジャズの帝王」マイルスの研究本。『東京大学のアルバート・アイラー』に続く東京大学教養学部での講義(2005年)をまとめたものに、その後行なわれたインタビューや雑誌へ寄稿されたエッ…

濱野智史 2008 『アーキテクチャの生態系 ―― 情報環境はいかに設計されてきたか』 NTT出版

情報技術に注目した批評で活躍する濱野智史の、いまのところの主著といっていいでしょう。ネットやウェブサービスを単なるメディアとみるのではなく、「情報技術(IT)によって設計・構築された人々の行動を制御する『アーキテクチャ』」(p.14)としてとら…

斎藤環 2006 『生き延びるためのラカン』 バジリコ

斎藤先生ご専門のラカンを解説。「日本一わかりやすいラカン入門」を標榜しています。語りかけるような口調というか文体で、ざっくりとしたレクチャーを受けているような感覚になります。細かい説明は大分はしょられているので、正確さ・厳密さには懸けると…

村上裕一 2011 『ゴーストの条件 ―― クラウドを巡礼する想像力』 講談社BOX

ゼロアカ道場優秀者の単著デビュー作。道場主の東浩紀がとりあげてきた美少女ゲームに加えて、ニコニコ動画でのUGC・二次創作を大きく取り上げているのが特徴ですね。 ゴーストの定義 いずみのさんもいうように*1本書を通して「ゴースト」という用語*2は…

DnB発展型リズム・興味深い音源・テトの日

最近立て続けにいい曲に出会えたのでまとめて紹介したいと思います。 強力なリズム 【ニコニコ動画】初音ミク - CivitaS Re/constructioN(オリジナル PV) タグ VOCALOID (∵)キョトンP HAMO 初音ミク ミクオリジナル曲 CivitaS_Re/constructioN ミックンベー…

川田順造 1988 『聲』 筑摩書房 (3)

(2)へ Ⅲ 声と人称 第Ⅲ部では語ることと、そのかたりが帰属する人称・人格の問題が論じられる。前述したとおり私の多重化や非人称化される歌、非・近代社会における個性といったことが取り上げられ、西洋近代的な「我」や「ペルソナ」の概念をアフリカの文…

川田順造 1988 『聲』 筑摩書房 (2)

(1)へ Ⅱ 声によるコミュニケーション 第二部では他者に対し呼びかけることで社会的な関係への参入を引き起こさせるという名前のもつ働きに注目した議論がなされている。筆者としては、このあたりは声や歌の議論よりもむしろ、キャラクターと固有名などの議…

川田順造 1988 『聲』 筑摩書房 (1)

概要 『音・ことば・人間』でも紹介した、西アフリカ・ブルキナ・ファソのモシ族を調査してきた川田順造による、声とそれを使ったコミュニケーションの文化的な側面を考察するエッセイ集で、『現代詩手帖』(思潮社)で1985年3月号から1986年11月号まで連載…

【鏡音リン・レン】ジェミニ【オリジナル】

【ニコニコ動画】【鏡音リン・レン】ジェミニ【オリジナル】 動画タグ 音楽 鏡音リン 鏡音レン Vocaloid DixieFlatline ジェミニ ProjectDIVA2nd収録曲 JOYSOUND交渉中 星のうた レヴュー 鏡音リン・レンによる透明感あふれるグルーヴィなR&Bナンバー。曲の…

【猫村いろは】胡蝶のミメシス【オリジナル曲PV付】

【ニコニコ動画】【猫村いろは】胡蝶のミメシス【オリジナル曲PV付】動画タグ VOCALOID 猫村いろは いろはオリジナル曲 胡蝶のミメシス 夏空P はいのことん 乃良 VOCALOID新曲リンク piro VOCAJAZZ レヴュー 夏空Pことベッコーさんの13作目、猫村いろはの生…

斎藤環 2011 『キャラクター精神分析 ―― マンガ・文学・日本人』 筑摩書房

はじめに ラカン派精神科医の批評家・斎藤環によるキャラクター論。 筑摩書房のHPから目次を引用させていただくと次の通り。 第1章 「キャラ」化する若者たち 第2章 「キャラ」の精神医学 第3章 「キャラ」の記号論 第4章 漫画におけるキャラクター論 第…

レヴュー: 【VY1】サイバーサンダーサイダー 【オリジナル曲】

はじめに ボカロクリティーク界隈で各論・作品論がすくないよねー、という話がでています。ニコニコ動画の文化では「ないなら自分で作れ」「言い出しっぺの法則」という格言がありますので、先ず隗より始めよというわけで私もやってみます。更新は不定期にな…

小田亮 2000 『レヴィ=ストロース入門』 ちくま新書

続・積ん読くずし。もっと先に読むべき本があるけど、なかなか大変。早いものでレヴィ=ストロースがなくなってからもう2年が経とうとしており、構造主義が隆盛を誇ったのも昔になりつつありますが、著者のレヴィ=ストロースへの共感が深く、いまでも彼の思…

Reply to やおきさん その2

またトラバで人の議論にコメントをします。 なかば公開往復書簡のような感じがしないでもない。 コメントといってもやおきさんが 「作者の意図」や「押韻」といったことばを、僕はおそらく一般的な用法ではないやりかたでこっそりと定義し、意図的にそれを隠…

Reply to やおきさん’s 「ぴちぴちピッチの劇中歌」(第1回、第2回)

トラックバックなるものをしてみんとす。 言及先の記事は「ぴちぴちピッチの劇中歌」第1回と第2回。やおきさん(id:yaoki_dokidoki)の歌詞論は以前から拝読させていただき、いろいろ意見も述べてきました。 今回および前回のエントリにだいぶその私の意見を…

感想:『ユダヤ・エリート』、『中国の旅』、『子どもはことばをからだで覚える』

音楽とは直接かかわらない本の感想をまとめて記しておきます。 鈴木輝二 2003 『ユダヤ・エリート ―― アメリカへ渡った東方ユダヤ人』 中公新書 アメリカのポップスにも大きく影響を与えたユダヤ人移民についてすこし知りたいとおもい積読になっていたのを崩…

ボカロクリティーク Vol. 01 後半を紹介!

こちらでやおきさんが今度のボーマスで頒布される『ボカロクリティーク』の紹介をしてますが、私も校正をお手伝いしたご縁で原稿を見せていただいていますので、簡単に感想でも述べて宣伝に協力したいと思います。やおきさんも更新で残りを書かれるみたいで…

ワルター・ベンヤミン 1939 「技術的複製可能性の時代の芸術作品 」 (3)

(2)へ、はじめから読む方はこちら(1)へ ■考察 下部構造が上部構造の影響、因果関係の不分明 死に舞さん(@shinimai)も いろんなとこで言ってるけど、ベンヤミンのアウラは認識論的な話と複製に関わる存在論的はなしごっちゃにしているから使えない。 http…

ワルター・ベンヤミン 1939 「技術的複製可能性の時代の芸術作品 」 (2)

(1)へ ■写真と映画 編集(モンタージュ) 技術的複製可能性の時代における芸術の問題としてベンヤミンが意識しているのは、印刷やレコードのプレスによる大量生産によるアウラの減退ということだけではない。むしろ写真や映画のカメラが作品を撮影する事に…