Jablogy

Sound, Language, and Human

野矢茂樹・西村義樹『言語学の教室――哲学者と学ぶ認知言語学』

言語学の教室 哲学者と学ぶ認知言語学 (中公新書)作者: 西村義樹,野矢茂樹出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2014/09/12メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見る ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』の訳者である野矢茂樹と、野矢の熱心…

「コードは押えられるんだけど……」という人のための理論書

(追記)『本当にオススメのBEST10』音楽理論を学べる書籍・サイト - NAVER まとめ 上の音楽理論書をまとめて紹介した記事が結構ブクマを集めていた。 とてもよいレコメンドだろうと思うけれど、鍵盤奏者向けな傾向はあるかもしれない。 クラシックピアノ経験…

Pitchforkのミク記事翻訳

Can the Japanese Digital Pop Star Hatsune Miku Cross Over in the West? Pitchforkに許可を得て日本語翻訳記事を掲載しているサイト「Lomophy」さんに、私が訳した初音ミクに関する記事を載せていただきました。 今年5月にアップされた記事で、いままでは…

佐々木健一『論文ゼミナール』

論文ゼミナール作者: 佐々木健一出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2014/08/20メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る 『美学辞典』『美学への招待』などで広く知られる美学者、佐々木健一による、〔古典的〕テクストを読み込んで書く人文…

My First Impression of Juke/Footwork

ここ数日、Twitterでフォローしている @mirgliPilgrim さんが最近アップした Juke のリズムを解説する記事が結構な注目を集めている。 ジュークって一体何なのさ!? 16ビートから見たドラムンベース、ダブステップ、ジュークの違い - What a Wonderful World …

野矢茂樹『入門! 論理学』

入門!論理学 (中公新書)作者: 野矢茂樹出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2014/07/11メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る 商品紹介やアマゾンのカスタマーレビューが適切なのでイントロダクションとしてそれほど付け加えることはないが、思考…

大友良英『MUSICS』

MUSICS作者: 大友良英出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2008/06/27メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 43回この商品を含むブログ (38件) を見る 聴取やフリージャズ、即興などをテーマに大友良英の音楽観をかたった講演や記事をまとめた本。人として、ミ…

All the same, all men are created equal.

学問のすゝめ (講談社文庫)作者: 福沢諭吉,土橋俊一出版社/メーカー: 講談社発売日: 1972/05メディア: 文庫この商品を含むブログを見る 学問のすすめの冒頭、「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」には続きがあって、実際には格差はあり、勉強すれ…

感じることなき「わざ」

Twitterを見ていたら美学的な興味深い話題が流れてきたのでつられてつぶやいたのをまとめてみる。 感覚できない芸術家/職人 後輩が「耳の聞こえない作曲家や目の見えない画家は有難がられるのに、匂いの分からない調香師や味の分からないラーメン屋って言わ…

ヤマノススメOP「夏色プレゼント」アナライズ

かわいいキャラデザ、実力ある声優さんたちの好演、美しい背景美術で登山の楽しみを描く「ヤマノススメ」、とても楽しく拝見しています。 OP曲もすごくいいのでご紹介&アナライズしてみます。 クレジットはこちら: ヤマノススメセカンドシーズンOP主題歌 …

NPRでの日本におけるジャズの歴史解説

How Japan Came To Love Jazz : A Blog Supreme : NPR 上の記事が面白かったのでメモを箇条書きで残してみる。 戦前から戦後すぐくらいまでを扱った書籍は結構あるけど、現在までを通史的に扱う視点にはあまり触れてこなかったので新鮮だった。 以下メモ。 1…

英語史のアウトライン

英語の歴史 過去から未来への物語 (中公新書)作者: 寺澤盾出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2014/07/11メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る この本を読んでみてとてもわかりやすかったので、英語が各時代ごとの背景によってどういう特徴をも…

英語オンライン辞書まとめ

先日アップした英語教材・リソースの記事中,オンラインで利用可能な辞書については過去にTwitterでつぶやいたもののまとめを参照するにとどめていた。そのまとめからも一年たち,使い方や使っているサイトも変化してきているので,ここでアップデートをはか…

『パンクなパンダのパンクチュエーション』 『ジャズで学ぶ英語の発音』 『英和翻訳表現辞典』 『職業としての学問』 『科学を語るとはどういうことか』

最近読んだ本のメモ。英語本が3冊、メタ学問本が2冊。 リン・トラス『パンクなパンダのパンクチュエーション』 パンクなパンダのパンクチュエーション―無敵の英語句読法ガイド―作者: リン・トラス,今井邦彦出版社/メーカー: 大修館書店発売日: 2005/06/01メ…

英語教材・リソースの紹介

Twitter上の友人が英語学習法を模索してるとのことだったので、手持ちの有用なリソースを晒してみる。リーディング中心、大学生以上くらい向け。 ネット上のリソース WEB辞書 以下のまとめ参照(コメントにも情報あり)。 じゃぶさんの英語web辞書紹介(2013…

「グルーヴ」概念の変遷

フミカレコーズ仲間のやおきさんが「グルーヴ」という言葉がマジックワード的で問題があるのではということで、次のエントリをアップされていたので、語源からどのような変遷があったのかざっと調べてみた。 【レビュー】大谷能生「二つになる一つのもの(グ…

川喜田二郎『発想法』

発想法―創造性開発のために (中公新書 (136))作者: 川喜田二郎出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1967/06/26メディア: 新書購入: 10人 クリック: 148回この商品を含むブログ (78件) を見る 言わずと知れたKJ法を提唱した川喜田二郎の名著。梅棹忠夫の『知…

宮脇孝雄『翻訳の基本』

翻訳の基本―原文どおりに日本語に作者: 宮脇孝雄出版社/メーカー: 研究社出版発売日: 2000/08メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 89回この商品を含むブログ (11件) を見る 小説翻訳を多く手がける著者によるジャパン・タイムズでの連載をまとめたもので、…

三森ゆりか『外国語で発想するための日本語レッスン』

外国語で発想するための日本語レッスン作者: 三森ゆりか出版社/メーカー: 白水社発売日: 2006/05メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 38回この商品を含むブログ (15件) を見る 本書のタイトルである「外国語で発想するための日本語レッスン」とは、「テクス…

デイヴ・トンプキンズ 『エレクトロ・ヴォイス』

エレクトロ・ヴォイス 変声楽器ヴォコーダー/トークボックスの文化史 (P-Vine Books)作者: デイヴ・トンプキンズ,新井崇嗣出版社/メーカー: スペースシャワーネットワーク発売日: 2012/05/18メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (5件) を見…

『DAIM append』感想

しま et al. 編著 2013 『DAIM』 Append、2013冬、DAIM、http://c-daim.tumblr.com/append ウェブ上の無料音楽をレヴューするサイトDAIMの同人誌版第二弾*1。 全96ページ、参加人数は編集後記にあがっている人だけでも27人と「薄い本」にしては量的にマッシ…

賢くなるための本を読む――『ネット・バカ』『実践・論理思考トレーニング』『外国語学習の科学』

速くも一月がもう終わろうとしていますが、一月はなんだかんだで一年最初の月、これから残り11ヵ月をより充実して過ごすための基礎知識を増進しようと、3冊ばかり読んでみました。 まずはこれ。 『ネット・バカ』 ネット・バカ インターネットがわたしたちの…

Footwork - 英語版Wikipediaより

最近身近な人たちの間で、Juke / Footworkというダンス・ミュージックがしばしば話題になっています。 まだあまり知られていないジャンルですが、日本語での紹介は次のようなものがあります。 話題のニュージャンル「Juke/Footwork(ジューク/フットワーク)…

ジェイムズ・クリフォード、ジョージ・E・マーカス編『文化を書く』

文化を書く (文化人類学叢書)作者: ジェイムズクリフォード,ジョージマーカス,George E. Marcus,James Clifford,春日直樹,和邇悦子,足羽與志子,橋本和也,多和田裕司,西川麦子出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 1996/12メディア: 単行本 クリック: 6回こ…

レビュー/批評/評論の違い

はじめに 前々回に『フミカ1.5』を出した折、「音楽哲学論考」のXnagaさんに感想をいただきました。 記事の中で「フミカちゃんはけっこう、『レヴュー』『評論』『批評』というのを、同じ意味で使っている。ように読め」てしまうし、そもそもそれらの違いが…

『ポストモダンの条件』「変貌するゴスペル・ミュージシャンシップ」「マスク・マイ・ヴォイス」『DAIM Pilot』

最近読んだものに簡単なコメントを。 『ポストモダンの条件』 ポスト・モダンの条件―知・社会・言語ゲーム (叢書言語の政治 (1))作者: ジャン=フランソワ・リオタール,小林康夫出版社/メーカー: 水声社発売日: 1989/06メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 3…

2013年ボカロ曲10選

今年もやってまいりましたボカロ10選。 例年通りというか私の趣味通り、ジャズ、ファンク、ブルースなど中心の選曲になりました。 わりと横ノリでグルーヴィな、踊れる感じの曲が多いのでそういうのが好きな方はぜひ。 2013ボカロ10選 ‐ ニコニコ動画:GINZA …

ジャン=ジャック・ナティエ 『音楽記号学』

音楽記号学作者: ジャン=ジャックナティエ,足立美比古出版社/メーカー: 春秋社発売日: 2005/04/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (9件) を見る Nattiez, Jean-Jacques. 1987 Musicologie Générale et Sémiologie. Paris : C. …

Vocalo Critique寄稿者のTwitterリスト

だいぶ前(vol.7のころだったか)に作って未完成のままになってたリストを完成させました。 Vocalo Critique on Twitter 当然というか、ほぼボカクリ広報アカウントがフォローしている人と同じになっていますが、こちらはリストなので「リストをフォロー」す…

はてなダイアリーからお引っ越し

お久しぶり、ja_bra_af_cuです。 はてなダイアリーでしばらく書いてきましたが、半年ほど更新停滞期に入って書いておりませんでした。ということで、気分転換がてら、Markdownも使えるなど進化したと聞くはてなブログに引っ越してみました。 第一印象ですが…