『フミカ』1.5、超文学フリマ@ニコニコ超会議で頒布
すでにツイッターでもお知らせしましたが、『フミカ』の新刊がニコニコ超会議2内の文系同人誌即売会、超文学フリマで出ます。
ニコニコ超会議2、チケットの前売りは1日1500円、2日通しで2500円となっており、2日間行くなら金曜までに通しのチケット買うとお得。当日券は1日2000円だそうです。購入はこちらからできるとのこと。会場までは東京都新宿駅から1時間くらい:Google Map。
筑波批評社と合同というだけでなく、今回のフミカレコーズのブースではいろいろ委託の頒布物もありますのでまとめておきますね。
やおきさんがこれらをまとめたフライヤーを作ってくれました。
Vocaloidの批評やレビューをする同人誌総集結という状態になってますね。筑波批評も超会議シフトということでオタクカルチャーを大きくとりあげてます。文フリ代表によるとこのアの島は壁サークルという位置づけだそうで*1なんだか緊張しちゃいますが、私たちのブースの頒布物もなかなかの充実度になったと思いますので、ごひいきのほどよろしくお願いします。
『フミカ 1.5』の内容
ひととおり情報を紹介したところで、『フミカ』新刊の内容に触れておきますね。まず、目次は次のようになってます。
- レヴュー・オブ・レヴュワーズ
- イントロダクション
- 枠組み編
- 「音楽」とは何か
- 「音楽」について書きたい
- レヴューの3類型 from Genさん
- 楽曲の分析は……aでもcでもないからb?
- 「事実」と「意見」の区別をせよっていうけど
- 評論の楽しさと「説得力」
- 直観と推論
- 音楽に関する学問の区分、「音楽自体」と「社会背景」 from Xnagaさん
- ブリッジ
- 実践編
- レヴューをアナライズする
- まげ=えりくさのレヴューを類型分析(by やおき)
- シノハラユウキのレヴューを類型分析(by やおき)
- かじもとさんのレヴューを類型分析(by ja_bra_af_cu)
- やおきのレヴューを類型分析 (by ja_bra_af_cu)
- ja_bra_af_cu のレヴューを類型分析(by かじもとさん)
フミカ編集長のやおきさんによるレヴュー・オブ・レヴュワーズの紹介はこちら。
今回「レヴュー・オブ・レヴュワーズ」の実践編と「レヴューをアナライズする」でやろうとしたことを簡単にいうと、音楽を聴いてコードを分析するみたいにレヴューの文章自体をアナライズしてみよう、という試みです。
私の知る限り、そういう「レヴューの分析」をやるために使える出来合いの理論というのはまだないので*2、GenさんやXnagaさんがブログで行った音楽について書く文章*3の分類を当てはめてみる、という方法を取りました。
もちろんそれですっきり分析できてハッピー、というわけには行かないのですが、その作業を通じていろんな問題や枠組みが浮かび上がってきたのは確かかと。その成果はレヴュー・オブ・レヴュワーズの枠組み編にまとめました*4。音楽について書くということに答えを与えることはいまのところあまりできていないですが、どうやって書こうか、どんな文章がいいだろうか、どうやったら伝わるだろうかなど、一緒に考えてみたいという人には好適な一冊になったと思います。
本書内で言及した他にも、このブログで取り上げてきた書物が日に影に影響を与えていますので、ここに記してスペシャルサンクスとさせていただきます。
それから、文章を実際書いていく作業のやり方として、今回フミカちゃんというキャラクターの回想というかモノローグというかという形のもと、複数人がひとつの文体で書くということをやりました。
事前に議論したなかで互いに考えを述べたことが別の人の筆から出てきたり、読み返して誰が書いたものか勘違いしたりなど、この手法には主体を離れた表現をすることの面白みがありました。ひょっとしてこれはボカロのプロデュースにも通じることだったりして、などとも。
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というわけで、以上『フミカ 1.5』の紹介と宣伝でした。文フリ@ニコニコ超会議に行かれる方がおられましたら、ぜひ手にとって見てやってくださいませ。よろしくお願いします!
*1:[https://twitter.com/sakstyle/status/320513047200403457:twitter:detail][https://twitter.com/harvestmoon15/status/320513728107925504:twitter:detail]
*2:石原先生(@shigekzishihara)が「批評のフォルマリズムだね」と類例を示唆してはくださったんですがリファーするまでは至らず。あと社会学の質的な研究法として「レトリック分析」というのがあったりなど、気になる事柄をピックアップできたのも収穫だったかもです。
*3:[http://plaisir.genxx.com/?p=121:title=Genさん「音楽を能動的に愛でる10通りの方法」]、[http://blog.livedoor.jp/yz_xnaga/archives/22185681.html:title=Xnagaさん「音楽について『書く』ために」]
*4:なので、実を言うと時系列的には本書うしろに配置されている文章のほうが先に試みられたものになってます