英語史のアウトライン
- 作者: 寺澤盾
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2014/07/11
- メディア: Kindle版
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/* 政治史だけ勉強してるときは各事件の意義がわかりづらかったものだけど、英語を軸に見ることでそれぞれの出来事の性格や重要性がイメージしやすくなったように感じる(音楽史でも同じことなんだけど) */
古英語 (450-1000)
- 七王国の繁栄(5c-9c)
- 『ベオウルフ』(8世紀)
- デーン人侵入・ヴァイキング時代
- Old Norse(古ノルド語)との接触
- アルフレッド大王(871年-899年)
- 活用語尾の消失へ
- 互換が同じで活用語尾だけ違う英語と古ノルド語の共存する地域
- → 語尾を落としてコミュニケーション
中英語 (1000-1400)
- ノルマン・コンクェスト (1066)
- ノルマン・フレンチ流入
- 英語の地位低下
- → 英語は口語中心に、文語の軛なく自由に変化するようになる
- プランタジネット朝 (1154)
- フランスに広い領地を持つヘンリー二世即位
- →セントラルフレンチの流入へ
- 英語の復権
初期近代英語 (1450-1700)
- 社会経済的な背景
- 内面史
- 大母音推移
- 母音の舌の高さが一つずつ高い方へズレる、一番高い iː と oː は二重母音に
- ゼロ派生
- 接辞や複合語での生産力低下。代わりに、活用語尾がないことによる品詞転換
- 助動詞、前置詞の発達
- 大母音推移
後期近代英語 (1700-[1950] *1 )
- 科学的合理主義、ナショナリズムの高揚 → 標準化、固定化の必要性 → 規範文法書や辞典の編纂が盛んに(18世紀)
- スウィフトら、アカデミーの設立を促すも不成立(1712)
- Lowth, Robert. (1762). A Short Introduction to English Grammar.
- サミュエル・ジョンソン、初の英語辞書
- 国家のhonourをかけたOEDの編纂
- Fowler's MEU(イギリスの権威ある語法指南書として長く親しまれる)
- ウェブスター辞書(米式綴りの基礎)
現代英語 (1950-)
- ポリティカル・コレクトネス
- ジェンダー
- 人種
- 身体障害
- コンピュータ、インターネット用語
- リングワ・フランカとしての英語
- 米語の英語への影響
参考文献
- 主に
- 寺澤盾 2008 『英語の歴史 ―― 過去から未来への物語』 中公新書
- webサイト
*1:英語学では20世紀から現代英語 (Present day English) という区切りにするようだが、標準化の話をまとめるには第二次大戦あたりで切ったほうがわかりやすいと感じたので、ここでは50年で切ってみた