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Sound, Language, and Human

2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ワルター・ベンヤミン 1939 「技術的複製可能性の時代の芸術作品 」 (3)

(2)へ、はじめから読む方はこちら(1)へ ■考察 下部構造が上部構造の影響、因果関係の不分明 死に舞さん(@shinimai)も いろんなとこで言ってるけど、ベンヤミンのアウラは認識論的な話と複製に関わる存在論的はなしごっちゃにしているから使えない。 http…

ワルター・ベンヤミン 1939 「技術的複製可能性の時代の芸術作品 」 (2)

(1)へ ■写真と映画 編集(モンタージュ) 技術的複製可能性の時代における芸術の問題としてベンヤミンが意識しているのは、印刷やレコードのプレスによる大量生産によるアウラの減退ということだけではない。むしろ写真や映画のカメラが作品を撮影する事に…

ワルター・ベンヤミン 1939 「技術的複製可能性の時代の芸術作品 」 (1)

■はじめに テキストのベクトル ―― ファシズムに抗して 序言と後書きにおいて、ファシズムの芸術利用に対してオルタナティブとなる共産主義的な芸術のあり方についてベンヤミンは述べている。ナチスやファシズムによる芸術を利用するポリティクス、すなわち政…

小泉文夫は民族音楽学学者なのか?

◆イメージのズレ 「民族音楽」や「日本の伝統音楽」に関心のある人ならだれもが一度は参照する小泉文夫。一般にはテレビなどで「民族音楽」を紹介した仕事で有名ですね。「民族音楽」を研究している人なのだから「民族音楽学者」なのだろうと普通は理解する…

川口千里インタビュー in オールナイトニッポン

7月8日のオールナイトニッポンで女子中学生ドラマー・川口千里さんのインタビューが放送されていました(http://senri350.blog.so-net.ne.jp/2011-07-07、ニコニコ生放送のタイムシフト視聴で一回限り視聴できるようです http://live.nicovideo.jp/watch/l…

大和田俊之 2011 『アメリカ音楽史──ミンストレル・ショウ、ブルースからヒップホップまで』 講談社選書メチエ (3)

前の記事(2)へ、(1)から読む方はこちら ■本書をうけての考察 *マーチング 白人と黒人の関係で言えば、私の関心からはまずマーチングや drum corps のことが思い浮かびます。ジャズドラム史またロック史においても、著名なドラマーの多くは黒人白人を問…

大和田俊之 2011 『アメリカ音楽史──ミンストレル・ショウ、ブルースからヒップホップまで』 講談社選書メチエ (2)

前の記事(1)へ ■各章のダイジェスト 各章のテーマや興味深いトピックを一言ずつふれるとつぎのような感じです。 第1章 黒と白の弁証法 ―― 擬装するミンストレル・ショウ ミンストレル・ショーにおいてユダヤ系やアイルランド系が「黒人」を することによっ…

大和田俊之 2011 『アメリカ音楽史──ミンストレル・ショウ、ブルースからヒップホップまで』 講談社選書メチエ (1)

大和田俊之『アメリカ音楽史──ミンストレル・ショウ、ブルースからヒップホップまで』の紹介をしたいと思います。長くなったので3回にわけてお届けします。 ■本書の位置づけ *キーワード について アニメの人気作になぞらえて「今季の覇権」本とすら評され…