Jablogy

Sound, Language, and Human

伝統的なドラムスティックの型番の意味

 ドラムスティック売り場に行くと、いろんな数字やアルファベットの型番がついた、多種多様な製品が売られている。初心者だとすぐには把握しきれないほどだ。

 だが慣れてくると、その多様な中にも、わりと共通して使われている数字と文字の組みあわせがあることに気がつく(7A とか 5A とか)。これらは、どうも太さなんかに応じてつけられているようだ。

 しかし、はっきりそうだといっている情報にいままで出会ったことがなく、ほんとのところどうなのかがずっと気になっていた。

 先日、Modern Drummer のウェブ記事を見ていたら、ちょうどこの件を解説している文章に行き当たったので紹介してみたい。

 この記事によれば、数字+アルファベットでスティックの特徴を表す方式が始まったのは1900年代はじめであるという。

 もともと、アルファベットは音楽のスタイルを、数字は直径・太さを表していた。そして、太くなるほど数字は小さくなる、とのこと。

 当時の各社が採用していた形式は次のような感じだそう。

  • A はオーケストラを表す
  • B はマーチングバンドやコンサートバンドを
  • S はストリートバンドを
  • D はダンスバンドを表す(グレッチ社)
  • 2B が太いスティックで一番広まっていたタイプ
  • 7A が細いスティックで一番広まっていたタイプ

 この基準からすると 7A はオーケストラ用なイメージということになる。ジャズやロックで使うにはちょっと細いし短すぎる*1と思ってたけれど、オーケストラならちょうどいいのだろう、と納得がいく。

 上記事中にもあるように、現在では各社ごとに独自のシステムで自由につけた型番も多くなっている。が、Zildjian 社や Vic Firth 社などのトラディショナルでスタンダードなものは、この数字+アルファベット式だ。

 定番のスティックがもともと使われていた用途のイメージを理解し、自分に適した製品を選ぶ上で、この紹介が役に立てば嬉しい。

*1:Vic Firth 社ので 13.7×394