Jablogy

Sound, Language, and Human

8ビート・16ビートというリズム概念について

表題のトピックについてtwitterにポストしたことのまとめ。
細部が荒く先行研究もみていないので後々議論を深めていきたいです。

ja_bra_af_cubeatとか拍というのは、基礎的なパルスがいくつかあつまって小節というリズムのまとまりを造る際の、その基礎的なパルス一つ一つをさして言う。4/4なら4分音符、5/8なら8分音符がそれぞれbeatである。link
ja_bra_af_cu本来はクラシック・音楽学的な用語で、ポピュラーなどに派生した場合の意味とはちがっていると思っておいたほうが良いと思う。link
ja_bra_af_cuなお8ビート、16ビートは和製英語であり、日本語話者からみた音楽観を反映しており、英語圏でのリズムの捉え方と一致しない場合が多々ある。しかし2 beatはジャズの用語として英語圏でも通じるようなのがややこしいwlink
ja_bra_af_cuRT @shurabaP: あー、そうだそうだ。ビートの理論はここでしか見たことないんだったぜ、一之瀬さんの文章は面白い。 http://www5d.biglobe.ne.jp/~sak/beat/index.htmlink
ja_bra_af_cuRTで紹介されているサイトで論じられているように、タイを使ったシンコペーションによって8分音符の刻みが主に聞こえてくるものを8ビート、16分音符が聞こえてくるものを16ビート、と呼ぶのが日本のポピュラー音楽での慣習であるようだ。link
ja_bra_af_cuトモ藤田が 『生きたグルーヴでギターが弾ける本』 で指摘しているように、〇〇ビートという捉え方は音符の種類が基準となっており、本来のその音楽のフィールと違ったものを捉えてしまうことがある、ということに注意が必要である。link
ja_bra_af_cu一般的に8ビートと呼ばれているものはアメリカでは「ロック」ないしrock beatと呼ばれ、だいたいの16ビートはfunk beatと呼ばれるものである(藤田 2010)。どちらもある音楽のジャンルとフィーリングを表した言葉であり、ただ音符を追うものではない。link
ja_bra_af_cuまた音符を中心に捉えた場合、(実践では問題にはならないが理論的には)ボサノバとロックの区別がつかなくなり、ファンクとラテン風フュージョンとテクノとも区別できなくなる。link
ja_bra_af_cuそもそもファンクのリズムは、16分音符がスイングの単位になっていることからみて、音楽学的に言うところのbeatが4分音符と8分音符の両方にあるポリリズミックなものではないか、というのが私の仮説。link
ja_bra_af_cuこの辺のファンクリズムの分析に先行研究があることが大和田本に書いてあったwlink
ja_bra_af_cuAlexader Stewart 2000 “‘Funky Drummer’: New Orleans, James Brown, [続く]link
ja_bra_af_cu[続き] and the Rhythmic Transformation of American Popular Music,” Popular Music 19.3link
ja_bra_af_cu8ビートや16ビートは和製英語だけど、Jazz beat Funk beatとかはいうのよね。でもそれだって明確にこのパターンこそがJazz beat Funk beatだっていうのはないわけで。コンセプトとフィールが大事。link
ja_bra_af_cuイグナシオ・ベロアが教則ビデオで「私にTHE songo beatを教えてくれというのはトニー・ウィリアムスにTHE jazz beatを、デビッド・ガリバルディにTHE funkl beatを教えてくれっていうのと同じだ」って怒ってたwlink
ja_bra_af_cuという感じで、以上のことから8ビートや16ビートを本質的な実態のあるものと考えると足元を救われる危険性があるというのをある程度理解していただけると思う。おしまい。link

死に舞さんのコメント

shinimaiしかしながら、日本のロックバンドのなかでは普通に8ビートも16ビートもあるドラムパターンを意味するように流通しているのはまちがいない。link
ja_bra_af_cu@shinimai ですね。ある意味日本のミュージシャンのフォークタームなのだと思います。link
shinimai@ja_bra_af_cu 完全に定着しているからね。link
ja_bra_af_cu@shinimai 私自身も実践では8ビートっていわれたら、ああ、あれねっていって叩かなきゃいけないですし。ただ「16ビートとはいかなるリズムか」みたいな話になると、それは擬似問題じゃないか、と思います。link
shinimai@ja_bra_af_cu 16ビートのリズムと、それが効いいてくるリズムってわければいいのでわ。link
ja_bra_af_cu@shinimai うむむ、すみません、よくわかりません・・・link
shinimai@ja_bra_af_cu ドラムに即した形では16ビートってつまりハイハット16で刻めばいいんだろってでいいんだが、それは確かに形式的にそうだけど、16ビートを生かしたものとは限らないというわけで。link
ja_bra_af_cu@shinimai そうですね。そこで16ビートと言われているものがなにを意図しているかを汲み取らないといけないですよね。ファンクっぽいのを指してるのかそれとも別のものなのか、とか。link
shinimai@ja_bra_af_cu きほんてきに強拍をどこにおくかで大幅に違うね。link
ja_bra_af_cu@shinimai まさしく。私が先ほどからツイートしてるファンクのポリリズム性とかもそれによるものですね。link

やおきさんのコメント

yaoki_dokidokiファンクのスイングがイーブンの延長にあるってこと?RT @ja_bra_af_cu: そもそもファンクのリズムは、16分音符がスイングの単位になっていることからみて、音楽学的に言うところのbeatが4分音符と8分音符の両方にあるポリリズミックなものではないか、というのが私の仮説。link
ja_bra_af_cu@yaoki_dokidoki ファンクの16分音符が、ジャズの4ビート(便宜的には使わざるを得ないのが悔しいw)の8分音符に相当するの。歴史的には4ビートの8分音符をストレートにするのが先にあって、その8分音符を音楽学的な意味でのbeatとしたのがJBなんだと思ってます。link
yaoki_dokidokiえ。どこに??RT @ja_bra_af_cu: この辺のファンクリズムの分析に先行研究があることが大和田本に書いてあったwlink
ja_bra_af_cu@yaoki_dokidoki 第9章 p.200〜206あたりにかけてlink

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